未来的愛玩具2(3)

未来的愛玩具2

くみは自分の足で歩いてきた製品とダイニングのテーブルで差し向かいに座っていた。

分厚い取扱い説明書数冊、保証書などを検品している。

くみは性格柄こういうのが苦手だった。

電化製品の取扱い説明書などもすぐに無くしてしまう。

まあそれが必要になったことは1度もないのだが。

「あなたのお名前はなんて言うの?」

くみの問いに、

「まだ未設定です」

とそっけない返事をされた。

なるほどパソコンと同じで色々と初期設定がいるようだ。

どこから見ても人間の男性にかし見えないのにくみはまだ驚いている。

しかしはじめてなのにヤケに落ちつくこの男性型ロボットの雰囲気はなんなのだろう。

それも考えられて造られているのか。

まことロボット技術も発達したものだとくみはつくづく感心した。

「僕の鼻をつまんで、その説明書の通り設定を行ってください」と言われた。

説明書には「まずあなた好みの設定をしましょう!」とイラスト入りで書かれている。

「名前を決めてください」とロボットくんが解説してくれる。

これなら間違いそうもなくよかったとくみは内心安心した。

「名前ねえ」とくみは考え込んでしまった。

ロボットだから「ロボ」というのもそのまま過ぎる。

逆さにして「ボロ」。

「ボロ・・・いいわねえ、それにするわ!」

くみはなんだか嬉しくなり叫んでしまった。

「え~と、次ぎは方言ねえ。やっぱり大阪弁でしょ」とロボットの鼻を力を入れてつまんだ。

「へ~、わてがボロでおまッ!」

設定はいきなり標準語から完璧な大阪弁になった。

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