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未来的愛玩具2(8)

くみとボロの生活は何も問題がなく穏やかに過ぎていった。

ボロは勤勉に働き、くみには優しくしてくれた。

くみは憧れていた生活を手に入れることができたのだ。

以前のくみならそれで満足していたことだろう。

しかしここ最近の恭介とこたろの再会にくみは、動揺と共に考えることが多かった。

二人とは数年前の飲み友達だった。

それ以下でも以上でもない関係だった。

くみがその仲間からはずれたのはその飲み友達の仲間内の柴田という男から求婚されたのが理由だった。

婚約後すぐに柴田が結婚詐欺の常習犯だと判ったのにはさすがのくみもショックを受けた。

それ以後みんなが集まっていたお店からも遠ざってしまった。

そして男性不信に陥ったのだ。

今回の男性型ロボット購入の決断も、そんな気持ちが働いたのかもしれない。

けっして自分を裏切らない男。

「お風呂沸いたよ」

ジーンズを膝元まで巻くしあげたボロが風呂場から顔を出した。

「ありがとう」

くみはバスタオルを持ちバスルームへ入った。

お湯の温度はくみに丁度適したものだった。

湯船に浸かり目を閉じて、先日から会っている恭介とこたろのことを思い出していた。

「どうして二人は同時期に私に連絡してきたのだろう」

それも二人とも交際を求めている。

以前からでは全く考えられないことだ。

「何か裏があるはずよ」と思う半面、二人ともやっと私の良さに気がついたのか、とも自負の気持ちと共に思ったりする。

まんざら悪い気持ちがするはずがない。

でもその後には決まって「そんなはずはない」という考えも起こる。

思考の堂々巡りの中、くみは風呂場で陰毛の手入れをはじめた。

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