この世の中には「目に見えるもの」と「目には見えないけど大切なもの」とがあります。
大半の人は目に見えるものだけを対象に考え行動します。当然と言えば当然です。が、やはり目には目えないけど大切なものの影響を受けて私たちは生きています。
それは俗に「運」と呼ばれるものであったり「縁」と呼ばれるものです。「心」というものもそうですし「想念」というイメージもそうです。
今日はその中でも「運」といもののお話をしたいと思います。
「運」という言葉はよく聞き、またよく使います。
「あの人は本当に運がいい」
「今日はラッキーだった」
「運が悪い時は続くものだ」
そして運という言葉を使うとき、その意味合いを見れば「偶然にも」「幸福にも」というニュアンスで使われていると思います。「運」とは果たして単なる偶発的なもの、偶然的なだけのものでしょうか?
それは違います。
人生の中にある「運」の連続するものを「運命」というのはご存知だと思います。その運命という字をよく見れば「命」を運ぶと書きます。
そう自分の命は運ぶものなのです。
誰にですか?
もちろん自分以外にはありません。
「運ぶ」というのは能動的な行為です。意思の元になされる行為な訳です。意思で行われるということは、偶然的なものではありません。そうです、「運」というものは神が与える偶然ではなく、自分で作る必然なものなのです。
以下、それを分かりやすいようにお話しします。
例えからいきましょう。
野球というスポーツはあまり見ないという女性でも大よそイメージは出来ると思います。野球の試合は9回までの攻撃と守備で行われます。9回裏、1点差で負けているチームの最終の攻撃です。最後に粘ってツーアウトですが、満塁までになりました。2点取れば逆転勝ちです。
あなたは監督です。
バッターの打順は8番のこの日ヒットの無い選手です。ベンチの控えには3人の控えのバッターがいます。Aは最近調子の悪い選手。Bは打率は良いのですがメンタル的に弱い選手。Cは打率はBよりも若干低いのですが、強心臓でチャンスでは一番の打率を誇る選手です。
さて、あなたはこの三人のうち誰を起用するでしょう?
僕なら迷うことなくCの選手です。後の無いラストチャンスですので、そんな大舞台で必要なのは度胸です。そういう場面に最も強いデータを持っているCの選手を起用します。おそらく大抵の監督ならCを代打に送るのではないでしょうか?
そして代打に送られたCは見事粘ってヒットを打って、走者を2人ホームに還して逆転サヨナラで勝利を呼び込んだヒーローになることが出来ました。
この時、多くの人がこういうのではないでしょうか?
土壇場で逆転劇を呼び込んだ強運のヒーロー、と。
最後の最後の最もよい場面で登場出来て、そこで見事ヒットを打ったとなると「なんて運がいいんだ!」という言葉も出てきませんか?
確かに彼はその試合でヒーローになれるチャンスに選ばれたので、一見運がいい選手と見えます。しかし、それは単なる偶然でしょうか?
最も称えられる局面に「出れた」というのは、とても運がいいことです。しかし、そういう舞台に出れる可能性が同じくあった選手は他にもいるのです。その中から、偶然に彼は選ばれたのでしょうか?
もし、それが偶然選ばれたのなら彼は本当に「運がいい」ということになります。が、その選ばれたのは監督の判断のもとによるものです。考えられた末にCの選手は「選ばれた」のです。
では、その監督は何を元にCの選手を選んだのでしょうか?
もちろんそれはAとBとCという選手の日頃のデータです。そしてそのデータを元に考慮した結果、その場面に一番相応しいと選ばれたのがCの選手な訳です。
過去の選手データは誰が作るのでしょうか?
それはもちろんそれぞれの選手なわけです。
そのデータがあったからこそ、最後に一番その場面で相応しいCの選手が選ばれたというわけです。これは偶然ではなくその選手が作った必然です。
こういう一見いかにも「偶然的に見えるラッキー」というのは、数多くのシーンで見られます。特にスポーツや勝負事の世界では多く見られます。だから僕はスポーツや勝負を見るのが好きなんです。
このことより、「運」というものは「実力」を持つ人に、より開かれるものだということが理解出来ましたでしょうか?
「あの人は運がよかったから」
とは良く言ったり、聞いたりする言葉です。この言葉は自分の実力の無さに対する「言い訳」なのです。選ばれる人、人気のある人、売り上げを人一倍上げる人、多くのファンを持つ人。みんな一見とてもラッキーにそうなったように見えるものですが、実はその裏にはそれらの人のとても大きな努力が必ずあるものです。
まとめますよ、、、
「運」とは偶然的、偶発的に起こるものではなく、日々努力して用意出来ている人に与えられる必然的な巡り合わせなのです。
だから「運」は自分で創造出来るものなのです。
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