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セックスについて(1)

セックスについて最近とくに感じることは、男性がヘタクソになってきているのではないか。ということです。

別にアンケート調査をしたわけではありません。

厳密にはヘタクソになってきたというより、上手になろうと切磋琢磨している若い男性が少なくなってきているような気がします。

僕の初体験は19才の時です。けっして早い経験ではないですね。(高校時代は野球に明け暮れてましたので、とんと縁がなかった)

相手は幸運にも当時好きな女の子でした。

でも最初なので、緊張したのと頭の知識しかなかったので全然ダメでしたね。

カッコ悪かったぜよ。

今から思えば。

これではダメだと思って、努力しましたよ。

僕なりに懸命に。

上手になる手始めは、まずは聞くことです。

そして実践あるのみ。

そう思えば、すぐに行動するのが私の習性。

聞いて一番よく分かる相手は女性です。

でも好きな女の子や友人の女の子に聞けるわけはありゃしません。

それ以来、風俗通いがはじまりました。

それは自分の快感を求めに行ったのではなく、セックスというものを女性の側から適切に実技を兼ねて学びに行ったという時期です。

「教えて下さい」と年上のお姉さんに事情を話して、指導を頂くわけですよ。

姉御肌のお姉さんなんか「よし、私に任せとき。男にしてあげるわ!」とそりゃ徹底的にこと細かくご指導して下さったお姉さんもいました。

涙が出る程に。

気持ちよくなる側に「ああだ、こうだ。そこじゃない」と具体的に教えて貰うわけだから、これ以上正しいことはない。

しかしこの時の授業料は高くつきましたわ。

給料だけじゃ追いつきません。

若いときだから給料だってたかがしれている。

だから卒業する頃には、とてつもない授業料をあちこちに借入してました。

でもね、今から思えば僕がとった学びの方法は正しかったと思ってます。

そういうことを素直に教えて貰うにはやっぱり若造の時にしか出来ない。

野球で言えば我流ではなく、指導の上手い正しいコーチについて基本的な素振りからはじめて、きちんとしたフォームが身についたと思っています。

僕がそういう手段をとったのは、僕が好きな作家・故人吉行淳之介のエッセーを読んでいたからです。

そのエッセーの中には、昔の若者という者はみんな赤線・青線などの女性からセックスというものを教わっていた。

そして教わった男性は自分が関係を持つ女性にセックスというものを教えてあげるのが自然な成り行きだった。

みたいなことが書いてあった。

至極当然、成る程と思っていたからすぐに実行に移したのですな。

考えれば単純。

赤線は昭和33年3月にて、風俗営業法のため廃止になりました。

まあそれに変わってトルコだとかソープになったのですが、吉行淳之介が語っていた赤線があった頃の風俗通いと今の男性の風俗通いでは質が全然違うのです。

昔はそこに厳かな技術の継承みたいな匂いがあった。

女性からセックスを学ばせて貰うという感じがあった。

でも今のファンションヘルスなんかは、手軽に性欲を吐きに行くという感じだ。

そこには向上心があるかないかという大きな違いがある。

アダルトビデオで育ち、受け身だけで性欲を晴らすことに慣れ親しんでいるふやけた男に女性を本当に喜ばすことなんてまず無理だろう。

女性との営みも、ヘタするとファッションヘルスの延長線上に考えている輩もいるかもしれない。

本当に親しくなった男女にはセックスというのはつきものであり、とても大切なものだと思うんですよ。

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