先日、飲み会の席で彼女・彼氏に贈るプレゼントの話題になった。
何を貰えれば一番嬉しいか、という話題だった。
なぜこういう話題になったかは、全然思い出せない。
男性陣のほとんどは実用的なものでかつ、自分が欲しいと願っているものだった。
Kはクルマのホイールと言い、Gは録音用音楽機材だといい、高いと言うならマイクでもケーブルでもいいと言ってた。
あまりプレセントには想像出来ない代物が他にも並んだ。
女性からは車のホイールは嫌だと言われてた。
それならいっそ車と言われる方がマシだと却下もされてた。
男と女の言い分をまとめてみると、お互い欲しくないものを双方贈りたがる傾向にあるようだ。
僕も自分のことを振り返ってみると、女性から頂いた贈り物であまり思い出に残る物はない。(正直言って)
唯一思い出せるものは、僕のネーム入りのモンブランのボールペンだ。
書き物を職業としていた頃、自分に合うボールペンにはなかなか出会えなくて、その貰ったボールペンがとてもフィットしたのだ。
それはいまだに使っている。
そう考えると、やっぱり僕も実用的なものだなあと思う。
最悪なのは手編みのセーターだ。
多くの男性は心の中で「そうだ、そうだ」と言ってると思うよ。
普段編物などしたことのない女の子が、クリスマスに間に合わせて編んだところでカッコよく仕上がることなどあまり考えられない。
実際とんでもない代物を何度となく着せられた苦い思い出がある。
でも編んでいると言われたら「止めろ!」などともそう言えない。
だから「あまり無理せずにね」とかなんとか言っちゃたりして放棄してくれることを胸中願う。
願い叶わず着せられるのは、きまってタケが長かったり短かったりして驚くほど自分のサイズに合わない代物。
そして鏡を見ながら、なんとかこれを着ずして済む方法を無言で巡らす。
異性にあげるプレゼントを選ぶのは本当に難しい。
僕の悪友のナンパ師は、車のダッシュボードの中にいつもプレゼントを入れている。
「一体誰にあげるのだ?」と聞くと、出会って口説きたい時にいつでも渡せるように事前に用意しているのだと言う。
どこでもドアならぬ、どこでもプレゼントである。
はじめて会った女の子に「君の為に買っておいたと言うのか?」と聞けば、そうだと言う。
そんなバカなと思いながら、考えてみれば「君とは会う運命だったんだ。だから君に渡すプレゼントも用意しているよ」と言って、女の子が「嘘!」と答えたときに、おもむろにダッシュボートから取り出せば演出効果はバツグンではなかろうか。
僕も実際急にプレゼントが必要になった時、彼からどこでもプレゼントを売ってもらったこともあった。
バカバカしいけど、これもひとつのアイデアだ。
プレゼントは考えてみれば、こういうアイデアや想像力を掻きたてるものをあげれる人はセンスの良い人だと思う。
プレゼントではないが、以前付き合ってた女性から貰ったもので感激したものを紹介しておきましょう。
女性の方はいつかどこかで使えると思いますので、覚えておいたらいいですよ。
効果てきめんです。
当時僕が一人暮しをしていた時のことです。
付き合ってた彼女は、いつも日曜の休みの前日から僕の部屋に来てくれました。
とても出来た女性で掃除と食事などを作ってくれて、わずかな時間を一緒に楽しんでいたというどこにでもある風景です。
彼女が帰った翌日は雨でした。
当然僕は玄関の傘立てから傘を持って表に出ます。
マンションのロビーを出て傘を開いた時にアッとなりました。
傘を開いた瞬間に彼女がいつも愛用している香水の香りがめいっぱいしたのです。
香りと共に彼女の「いつもわたしを忘れないでね」という声がしたようでした。
おそらく帰りがけに、明日は雨だろうと僕のたたんでいる傘の中に自分の香水をさり気に残していったのでしょう。
傘を開いた瞬間、本当にハッピーな気分になりましたね。
こういうセンスあるアピール出来る女性は素敵ですね。
これもひとつの想像力から出た演出だと思います。
だから贈り物はやっぱり気の利いたアイデアが伴わないと思い出深いものにはならないのかもしれません。
でもそのアイデアが実れば、僕のように一生忘れがたいものになることでしょう。