「男性と女性との間で友情は成立するか?」という命題はよく巷で論争されることですが、みなさんはどうでしょう?
まあ恋愛をいくつか経験したことがある人なら、誰でも一過言はあるでしょうね。
僕の結論は、条件付で「有り」です。
この条件付というのが大層なミソでして、なかなか難しいところ。
では聞きなれた言葉ですが、この「友情」とはなんじゃらほいと辞書を紐解けば「友達の間の親愛の情。
友人の間の情け。
「友達のよしみ」(大辞林第二版)とあります。
”親愛の情””情け””よしみ”がキーワードのようです。
よしみとは漢字で書けば「誼み・好み」となり、簡単に言えば”親しみ”のことです。
同性同士なら、この友情というのは安易に想像できるし成立したイメージを思い描くのもそう難しいことではないでしょう。
ではなぜ異性となるとそれが難しく思えたり、喧々諤々となる論争になるのでしょう。
それは同性ではなく、異性ではもうひとつ恋愛という感情が見え隠れするからでしょう。(同性でも恋愛は成り立つという考え方もありますが、それはまあここでは置いておきましょう)
男女の間に情が生まれ、友情となりえる前におそらくどちらかに恋愛的な感情があると見る方が僕は自然なことだと思います。
恋愛とまではいかずとも、その予備的な感情でも。
男の本音で物言いますと、心のどこかに「コイツええな」という気持ちがないと異性とは親しくなろうとしないものだと思います。
「ええな」という言葉の意味としては、動物的な本能ということです。
動物的な本能というのは俗的に言えば「やりたいなあ」ということでしょうか。(率直な表現ですみません)
僕は女性ではないので、その気持ちの真意まではわかりませんが、男性の率直さとまではいかずとも似たようなところはあると思います。
でも女性の方が生理的なことがストレートに出る時があるので、その辺りは男性よりもひょっとすればダイレクトかもしれません。
まあ、お互いにそういう部分もあって親しくなると思います。
だから僕はお互いか、お互いのどちらかにそういう「下心」があれば(ある方が自然なのですが)友情という関係が成立するのは難しいと思うのです。
こういう場合で、男女の友情を成立させるには、まず一旦男女の関係を一山越さないと僕は無理だと思います。
一山越すということは、男女ですから肉体関係を持ち「好きだ」「嫌い」だということを百万遍言い合い、愛し合い、傷付け合うことも繰り返し、お互いの持っている男女の”縁”をいい形で終わらせた時に、僕はその二人の間に友情を作ろうと思えば可能だと思います。
僕の書くことの中でこれは何回も書いていることですが、人と人との”縁”で、よく「別れた人と”縁”がなかった」と言うことがあります。
でもけっして人間 生きてて”縁”のない人とは巡りあわないと僕は思っています。
本当に”縁”の無い人とは、まずは生きてても出会わないでしょう。
人間こんなにたくさんいるんですし。
それが出会い、親密なる感情のもとで、それが深い関係に及ぶ人は”縁”があるのですよ。
そしてこれも何度も言ってることなのですが、お互いの”縁”が終焉すれば”別れ”が来ます。
別れは何も悪いことではありません。
次のステップへ行く節目なだけです。
”男女の縁”が終わり、二人に次のステップがあり、お互いにそれを望めばそこにはじめて”男女の友情”みたいな関係が出来上がるのではないでしょうか。
”縁”の終焉を迎える時に、お互い憎しみ合いケンカ別れとなることもあるでしょう。
そういう場合は”友情”もへったくれもなくなります。(まあこういう場合も多いでしょうね)
だから”男女の友情”を成立させるには、男女の関係をいい形で終えた二人でないといけないということが必要となります。
良い関係で男女の関係を終焉させるのはほんとうに難しいことかも知れません。
でもいい形で終わらせることが出来れば、そこには同じ時間、月日を戦い抜いた戦友みたいな感情が出来上がるのです。
この感覚は長年夫婦をやっており、お互いの話し合いの元で別の道を選ぶとか、恋人同士でもお互い理解し合った後に別れた二人にしか持ち得ない感覚です。
私事ではありますが、これまで恋人関係でケンカ別れしたことはあまりありません。
だから結構今でも友達感覚で付き合ってる女性は多いですね。
これが言わば友情みたいな関係ではないでしょうか?
それともうひとつ、男女の間で”友情”が成立する場合もあります。
これは男女の一山を越さずに成立する場合です。
男性が女性を見て「全然、俺のタイプとちゃう女や、ケッ」みたいで、女の方も「フン、この人異性としては論外だわ」と、お互いが全然恋愛感情を抱かない二 人の場合。
そして、そこに何かの二人の共通する目的があり(利害関係)、ともに二人で時間を費やす間に二人の関係は見ようによれば、友情に結ばれた二人になるかもしれません。(その結果、恋愛感情に発展する場合もあり)
まあ、そんなところでしょうか。